感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎・細菌性胃腸炎)について

『胃腸炎』。よく耳にする言葉です。
しかし、その中身はかなり幅広く、理解するのもなかなか難しいものです。
そこで、ここでは俗に言う“バイキン”から起こる胃腸炎(感染性胃腸炎)について項目ごとにまとめました。
少々長くなりますが、参考になれば幸いです。

目次

感染性胃腸炎の症状について

おなかの上の方や下の方が気持ち悪くなったり、痛くなったり、発熱といった症状がみられます。
症状が強くなると吐いたり、下痢をしたりするのが特徴です。
しかし、 吐いたり下痢が続いたり、水分や食事が摂れないと、脱水症状になる可能性があるので注意が必要です。

感染性胃腸炎の原因について

感染性胃腸炎の原因の“バイキン”は、風邪などのウイルスであることがほとんどです。
しかし、中には症状が強く出るウイルスや細菌が原因になることがあります。
以下が代表例です。

ウイルス

ノロウイルス

生ガキやアサリなどの二枚貝、生野菜などが原因で感染する事が多く、ヒトからヒトへ感染します。
感染後は1-3日で発症し、嘔吐や下痢、発熱といった症状がみられます。
流行時期として冬に患者数が増えますが、1年中発生するため油断は禁物です。

ロタウイルス

二枚貝や飲料水などが原因で感染する事が多く、ヒトからヒトへ感染します。
感染後は、便が白っぽくなるなどの症状がみられます。流行時期は冬から春に最も患者数が増えます。

細菌

カンピロバクター

感染の原因としてニワトリの腸にいる菌を、調理の際に過熱不足の状態で摂取してしまう事で発症します。摂取後は2-7日で発症します。

サルモネラ

ニワトリや牛、豚の腸の中にいる菌で、卵や生肉を食べる事で発症します。
摂取後1-5日で下痢といった症状がみられます。

病原性大腸菌

牛や豚といった家畜の大腸の中にいる菌を、加熱不足の状態で摂取してしまう事で発症します。
特に加熱不足になりがちな乳製品や炒め物や揚げ物には注意が必要です。
摂取後、3日以内に発症します。
※O157(腸管出血性大腸菌)はこの病原性大腸菌に分類されます。

その他に、ウイルスでは腸管アデノウイルス・アストロウィルス腸炎、細菌ではボツリヌス菌・ウェルシュ菌・腸炎ビブリオ・黄色ブドウ球菌などがあります。 ボツリヌス菌は死に至ることもあり、注意が必要です。

しみずクリニックでは

症状が出たときに、当クリニックに受診した場合の流れです。

問診

いつ頃から症状が出てきたか、その強さはどれくらいか、何を食べたかなどを聞いて原因を考えます。

検査

医師が必要と考える方、また保育園・幼稚園に通うお子さん、食品会社に勤めているなど社会的にも必要のある方は原因を調べるために迅速キット(すぐに結果がでます)や、培養をして調べます。また、症状が強ければ血液検査を行うこともあります。

治療

先ほどの『症状』の欄で、吐くことや下痢をすることを記載しました。これらの症状があると、日常生活を送るのに本当につらいです。しかし、それはヒトの体が、原因となる“バイキン”を体の外に出そうとする働きであり、必要なことでもあります。

よって、基本的に症状は完全に止めることはしませんが、薬で和らげる治療をします。
その中で、
・水分がとれない
・体に力が入らない
などの状態であれば点滴をすることになります。

また、細菌による胃腸炎を疑うときや、高齢者や持病で免疫が弱い方には抗生剤(抗菌薬)を使用することもあります。

予防について

感染性胃腸炎は主に2つの視点から予防していきます。

飲食品の扱いによる予防

料理をする人は、調理前に手洗いをしっかり行いましょう。
また、台所や調理器具はよく洗い清潔にしておきましょう。
まな板の上で生の鶏肉や豚肉を切り、その後同じまな板で野菜を切ると、まな板や包丁から感染の危険がありますので、調理器具は漂白剤につけるか、熱湯で消毒してから使用しましょう。

直接口をつけて飲むペットボトルの飲み物は、できるだけ早めに飲みきるか、冷蔵庫で保存しましょう。
時間が経つと細菌が増えることがわかっています。

ヒトからヒトへの感染予防

感染性胃腸炎は、ヒトからヒトにうつることがあるため、感染している人の唾の中にいるバイキンや手、食べ物についたバイキンが口の中に入ることによって感染します。
よって、まずは感染した本人のマスク装着が必要です。そして同居している方もマスク装着と手洗い・うがいが必要となります。
また、感染力の強いノロウイルスやロタウイルスは直接口に触れてうつる以外に、空気中にただようウイルスを吸い込んで感染する事もありますので注意が必要です。

ノロウイルスやロタウイルスが原因で嘔吐をした人は、吐いた物の片づけはできれば自分で行いましょう。
さらに消毒液(※1)で吐いた物が付着した部分をふき取ります(もし、ご家族が片付けをする場合は、手袋やマスクをして素早くビニール袋に入れて処理をします)。
感染した人が触った便座やドアノブなどはこの消毒液をさらに薄めたもの(※2)で拭き、消毒しましょう。

※1…消毒液は塩素系漂白剤と500mlのペットボトルを使うと簡単につくることができます。まずは塩素系漂白剤をペットボトルのフタ2杯分、ペットボトルに入れます。あとは満タンまで水を入れ、振って混ぜます。保存する場合は、間違って飲まないように、「消毒液」と記入し、子供の手の届かないところで保存します。
※2…※1の消毒液を5倍に薄めて使います。塩素系漂白剤は変色やさびの原因になることもあるので、10分ほどおいてから水拭きをしてしっかり乾かしてください。

東京都ではありますが、福祉保健局の「食品衛生の窓」というサイトがあります。
感染性胃腸炎の原因のウイルスや細菌ごとに、特徴から予防まですごくよくまとまっていますので、より詳細に知りたい方はこちらをご覧になるとよいかと思います。

最後に

同じバイキンが原因でも、人によって症状は違いますので、心配な点があればなんなりとご相談ください。
また、 吐き気や下痢などの症状が長く続く場合(目安は2週間以上)は、違う病気が隠れている場合もあります。ご自身では判断が難しい事もありますので、まずはしみずクリニックにご相談ください。
当院は福岡市南区大橋に開業し約25年消化器内科専門医として多くの患者様を診察してきました。
その経験を活かし当院でサポートいたします。

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